南イタリアシリーズ第2弾
「ナポリで歌ってソレントで食べて」
  -5.オ・ソレ・ミオ 3-

文・写真/河野朝子

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ピンク・フロイド・ファンにはおなじみ円形
劇場。無茶苦茶暑かった。


い日に歩き回ると冷たい物が欲しくなるのは人の性。冷たい物の代表選手と言ったらアイスクリームだが、イタリアでは、そう、"ジェラート"って言うんですね。

 イタリアのジェラートは合衆国のアイスクリームとはかなり違う。例えばバニラアイスクリームで比較すると合衆国のアイスクリームはギリギリまで低い空気含有率と濃厚な乳脂肪分で、舌の上で溶けるのがゆっくりしている。ジェラートはもっと軽快。だからと言って日本の昔のアイスみたいに"薄い"ワケではない。

 私はこのジェラートが画期的にうまいジェラテリアに、ソレントで出逢ってしまって通った、通った。そのジェラテリアのケースに並ぶジェラートの種類、実に40種類超。チョコレートやラム・レーズンなどの"牛乳モノ"から、レモンやメロン、木イチゴなどの"シャーベット系"までなんでもある。
 特に果物のジェラート(正確には"ソルベット")は果物そのものを食べるより確実にうまいであろう、と言う作りで、ひとさじ口の中に運ぶごとに幸せが脳天を突き破って溢れ出るようだった。さらにもっと涙にむせびそうにウマイのがピスタチオやクルミなど、木の実系ジェラートである。目玉は落ちそうになるし、足はバタバタしたくなるしいやはや、大変な食べ物なんである。

 こうやってグラニータだのジェラートだのでお腹はガボガボになる。それが夕飯までに消化されなかったりすると天国から地獄、目の前にめちゃくちゃおいしい食事がずらっと並んでも平らげることができなくなってしまうのだ。体力を要する旅行者にとって、きちんと食事をとらないのは自殺行為だし、なんたって、うまいもんを食べたいのに胃が拒絶するときほど悲しいことはない。しかし、それがわかっていながらついつい手が出てしまう冷たいオヤツ、かなりの贅沢である。


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