灰色の空のロックンロール
  (イングランド名所巡り)

 -6.ミステリー・サークルをかする-

文/河野朝子  写真/中山慶太

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ンドンを離れて田舎道を車で走ってみた。そこかしこでランダバウト(環状交差点)が登場するたびにアタマの中でスティーヴ・ハウがギターを弾いてくれる。しまいにはうるさい。
 イギリスの片田舎には、不思議と懐かしい、樹木の極端に少ない丘陵地帯がばあっと広がっている。

 イギリスになぜ木が少ないかというと、産業革命あたりでみんな切っちゃったから、だそうだ。そんな人達なのに、いや、そんな人達の反省を込めたであろうナショナル・トラスト運動が盛んなイギリスの、畑の真ん中に看板のひとつもない緩やかな丘が続く田舎の風情は、新しいものを拒み過去をひたすら存続しているようでもあるのだが、その畑でときどき不可思議な現象が発生するらしい。

 私はミステリー・サークルというものを一度はこの目で見てみたかった。しかし時期は冬。きれいに刈り取られた麦畑にはレッド・ツェッペリンのベスト(ボックスセット)のジャケットになったような鮮やかな図形を見ることはできなかった。

 どこの暇人がわざわざ麦を根こそぎ倒して、しかも遠くから見ないとなんだか判別できないような図形をこさえるのかは相変わらず謎だが、それが不似合いでないのもイギリスである。


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