●Night Shift 連載第5回
「Toys」

文・写真/小中千昭

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年の春から今年の夏まで、『ウルトラマンティガ』のシナリオをずっと書いていた。テレビでは16年ぶりの復活、私たちも手探りで突き進んだ作品だった。
 自分がワープロの上で創造した怪獣が、ソフトビニールの玩具となって子どもたちの手に渡る――。とても不思議な、そして幸せな体験を得ただけでも、この作品で苦労した事など忘れられる。

 シリーズ開始の頃、私が書くシナリオは、子どもには難解だと方々で非難されていた。私は、自分が子どもの感性のまま大人になったと思っているので、私が面白ければ子どもだって面白い筈、という理屈にもならない論拠で反駁し、自分が観たいと思う様な作品にすべくシナリオを書き続けていた。
 でも――、内心では不安だった。

 5歳のティガ・ファンの男の子のお父さんが、「お誕生日、どの怪獣が欲しい?」と聞いたところ、
「女の子をむかえにきたかいじゅう」
 と答えたという話を聞いて、不覚にも涙をこぼした事が忘れられない。
 この子が言っていたのは、私が書いた初期のエピソードに登場する怪獣の事だ。怪獣の造形も素晴らしかったが、この子は単にそのデザインや暴れ方だけでなく、物語(それも変化球の)を的確に把握した上で、その怪獣を愛してくれていたのだった。
 しかしこの怪獣のソフビはとうとう発売されなかった。


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