●Night Shift 連載第4回
「Instrument」

文・写真/小中千昭

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学生の時以来、私はベーシストをしている。
 二十年以上という事になるか。飽きっぽい私がよく長続きしてるなぁと自分でも驚く。
 今は、大学の軽音楽部OBで結成したビッグバンドのライヴが年に数回あるくらいだけれど。
 色々なベースを弾いてきて、そろそろ自分の好みの究極ベースが欲しくなり、ボディ・デザインからネックの形状、サーキットまで全てカスタムで指定してオーダーメイドのベースを作った。注文してから納品まで半年もかかったし、それなりの値段にもなった。
 完成までの間に、ふらっと入った楽器店のショップ・ブランドのベースが目に留まった。6弦なのに7万もしない。外国で安く作らせたものだった。なんとなく買って弾いている内に、異様に広いネックも気にならなくなったばかりか、音まで気に入ってしまった。6弦だと弦と弦の間が狭いので、ブリッジとナットを交換して5弦仕様に改造すると、ますます弾きやすくなり愛着が増した。
 やがて注文していたカスタム・ベースが完成したのだけれど、あんなにこだわって作ったにも関わらず、どうもしっくりこない。7万円の安物ベースの方がずっと音もよく聞こえてしまう。
 結局、今だに私のMain Instrumentはこの5弦ベースなのだ。

 ベースというポジションは、映像作品におけるシナリオ・ライターのそれに似ている、という話をしようと思ったのだけど、誌面が尽きた。


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