タイで食べタイ!
      -入門編−その3-

文・写真/河野朝子  タイ料理写真協力/南青山『スクムウィット』(※)

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 牛肉のサラダ「ヤム・ヌア」(※)

ーケットには『プーケット・タウン』と呼ばれている中心街がある。もっとも、盛り上がっているのはパトン・ビーチという浜辺の方で、観光客にとってプーケット・タウンにはそれほどめくるめくものはない。が、その頃、パトンがなんであるかすらよくわかっていなかった私はホテルが運行するマイクロバスに乗って、毎晩のようにタウンに繰り出してはありがたがっていた。何年かあとに、パトンに通ったこともあるが、より“地元っぽさ”があるのは、地味でもやっぱりタウンの方である。
 タウンが繁華街、とは言っても日本の田舎町よりぐっと電灯の明るさが少ない。そんな中を、行き当たりバッタリ歩いていてロータリーを曲がったら、そこはいきなり祭りの真っ最中だった。裸電球ぶら下がる通りの左右に屋台が連なる風景は、造りこそ違うが、昔の日本の景色にも似て、いとおしさのようなものがこみ上げてくる。屋台のガラスケースの中には何やら怪しげな原色の食べ物がつまっている。市場とおぼしき建物の中では野菜や果物に彫刻刀で飾りを付けたカービングのコンテストの出展作品がずらずらと並んでいて圧巻だった。
 通りを一本はずれると賑やかさも途絶える。“現地のカレー”捜索班はウロウロするのだが、なにせタイ語わかんないし、不案内、で、行き着くのは英語のメニューのある観光客用のレストランだった。そこで食べたカレーはインド風ターメリックバシバシの黄色いながらもココナッツミルクの入ったカレー(あとでかなり怪しいマレーシア風と知る)だったのだが、辛いっちゃ辛いけれど、味が薄かった。こんなんじゃない。
 暗いんだか明るいんだか判然としない大通りを歩いてみれば、道端に並ぶ、オープンエアの食堂群。のぞき込むと、カレーこそなかったが、何かもっとうまそうなものを地元の人達が食べているではないか。アレ食べたい!と叫んでみても、その注文方法がまったくわからない。というワケで、ご馳走を目の前にして玉砕した第一回プーケットの旅、だった。

 

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